海辺に住みたい設計士

海辺に移住するという夢に向かって日々奮闘。当面の目標は一級建築士取得。釣り好き。目に入ったもので「もっとこうしたらいいのに」という思いがネタの記事が多数。

即席のミックスダブルス

前回バドミントンの話を書いていて、また1つ書きたいエピソードが浮かんだので書いていく。

 

 

私が所属していた大学のサークルでは近所の大学と定期的に交流試合をしていた。

 

 

私が男のCランクで、パートナーはBランクの女の先輩だった。

 

 

相手も私たちと同じくらいのランクの男女だった。

 

 

試合が始まってすぐに、向こうの動きが特殊なことに気づいた。

 

 

ミックスダブルス専用の動きをしているのだ。

 

 

バドミントンのダブルスで基本的なフォーメーションが二つある。

 

 

一つはサイド・バイ・サイド

 

シャトルを上げたときになる守備の陣形である。

 

 

ネットに対して平行に2人並んで、スマッシュなどの攻撃に備える。

 

 

もうひとつはトップ・アンド・バック。

 

 

テニスの王子様なんかでやっていたオーストラリアンフォーメーションが、バドミントンでいうところの基本的な攻撃の陣形になる。

 

 

ネットに対して直交する形で前後に2人が並ぶ。

 

 

後衛がスマッシュなどを打って、甘く返って来た球を前衛が決める。

 

 

これがバドミントンの基本的な陣形となる。

 

 

それを踏まえた上で、男女のミックスダブルスとなるといろいろなデメリットが生まれてくる。

 

 

例えば、全員同じような実力であれば、男子が女子に向かって全力でスマッシュを打てば、決定率があがる。

 

 

女子が後ろに行くように球を運べば、男子より遅いスマッシュがきて対処しやすくなるなどがある。

 

 

私のサークルの練習でも男女で組んでダブルスをすることはあったが、上記のことを徹底してやると、「空気の読めないやつ」とされてしまうのである程度忖度をしながら、普通の陣形でプレーをすることが一般的となっていた。

 

 

ただミックスダブルスの場合でも上記のデメリットを無くする方法がある。

 

 

それがトップ・アンド・バックの固定である。

 

 

守備の時であろうと攻撃のときであろうとお構いなしに、常に女子は前、男子は後で固定をする。

 

 

固定することによって、女子に前で丁寧にショットをつないでもらい、後ろの男子にガンガン攻めてもらうことが出来る。

 

 

デメリットとしては、攻撃の陣形で守備もやることになるので、左右の守備範囲を広くとらないといけなくなるが、前にはパートナーがいるので、その分前後の守備範囲は狭くなるので、ミックスダブルスではトッパン(トップ・アンド・バックのことを縮めてよくそう呼んでいる)固定が有効になってくる。

 

 

相手がまさにこれだった。

 

 

サーブを打つのも前にでて打つのが普通なのに、男子のサーブの時だけ、女子を前に置いて腰を落としてもらい、その後ろから打つ独特なミックスダブルスのサーブを打っていた。

 

 

1セット目はその戦法でとられてしまった。

 

 

きっちりカタにハメられたという感じだった。

 

 

相手の男はガンガンスマッシュをパートナーの女の先輩に打ち込み、緩急で私は前に誘い込まれなすすべなく1セット目は終わった。

 

 

1セット目をとられて思っていたことは、「そのシリアスな感じ、なんなん?」であった。

 

 

サークルに所属している以上、他大学とは言えある程度のお遊び感を残した上で一生懸命やるのが筋ではなかろうか。

 

 

もちろん一アスリートとしては出来ることを全てやってきたのは正しいけど。。

 

 

そんな思いが交錯して私は面白くなかった。

 

 

そこでインターバル中に思い切ってパートナーの先輩に耳打ちした。

 

 

「うちらもトッパン固定でやりませんか?」

 

 

無論ミックスダブルスの経験は私もパートナーの先輩もない。

 

 

まあ同じバドミントンなんだからなんとかなるでしょ、くらいに思っていった単なる私の思いつきに、先輩は戸惑いながら応じてくれた。

 

 

これが功を奏した。

 

 

元々プレーが丁寧な先輩は前衛でつないでもらい、相手にあげさせる。

 

 

あげさせるとスマッシュを人より早く打つことができるだけが取り柄の私がガンガンスマッシュを打っていく。

 

 

適材適所で、各々の力を十分発揮できた結果、2セット目を取り返し、ファイナルゲームで勝ち越した。

 

 

相手の戦法をマネして戦況をひっくり返す様は、痛快だった。