海辺に住みたい設計士

海辺に移住するという夢に向かって日々奮闘。当面の目標は一級建築士取得。釣り好き。目に入ったもので「もっとこうしたらいいのに」という思いがネタの記事が多数。

ゼミ旅行のレク係

私がかつて「自分のやりたいこと」と「まわりから求められていること」が完全に合致していたと思ったのが、ゼミ旅行のレク係だ。

 

 

残念ながら、会社に属して給料をもらうといった類のものではない。

 

 

ゼミ生の友達と楽し気に役割分担をして決めたことだ。

 

 

先生もくるので、少々の緊張感を持ってはいたが、緩い空気をまとっていた。

 

 

そこで私の与えられた役割は、伊豆大島で魚を釣るというもの。

 

 

あらかじめ場所を指定して、一日中魚を釣る。

 

 

そして、釣りをしたくなったゼミ生が釣り場に来たら釣りの手解きをする。

 

 

初心者用のタックルは、リールのついた竿に銅付き仕掛け(針の下におもりを付けた仕掛け)にした。

 

 

エサはイソメやゴカイなどのミミズ系の虫エサは、気持ち悪がられると私がエサを付けてまわらないといけないのでオキアミ(ボイルした小さなエビ)を本人に付けてもらう。

 

 

リールのベール(ラインを出したり止めたりする金具)を上げてラインをフリーにして、ぼちゃんと仕掛けを海中に落とす。

 

 

竿先は、あまり手前に持ってきてしまうと足場に引っ掛けてしまうのでリールから先の竿の長さ分くらいは海に出してもらう。

 

 

仕掛けを海中に落として沈んでいる間はリールからラインがくるくるとでていく。

 

 

ラインが止まったら、おもりが着底したので、ベールを下げ、少しリールを巻いてラインにテンションをかける。

 

 

その後は放置。

気分でゆっくりさびいて(竿を持ち上げて、海中のエサを動かして)みてもいい。

 

 

伊豆大島は釣り場として恵まれているので、それだけで2-30センチくらいの魚がよく釣れる。

 

 

これらの魚は刺身に向かないのが多かったため、下処理をして夕食のBBQの焼き物になってもらった。

 

 

その間私もルアーで魚を狙って、40センチくらいのカンパチやブリの子供を釣る。

 

 

これらは刺身でイケるので泊まる民宿に持っていって、昼ごはんのメニューに追加で華やかな一品が加わった。

 

 

自分の好きなことをやって、自分の好きなことを友達と共有し、自分の好きなことで得た成果を感謝されることは何にも変えられない喜びを得た。

 

 

話は少しズレるが、「魚を食卓にまで運ぶ」ことを目的とするならば、釣りという行為ほど費用対効果の悪いものはない。

 

 

何万も金を掛けて揃えた道具を持って、ガソリン代を掛けて車で移動し、船に乗ろうものなら、一回1万円はくだらない。

 

 

その上釣果が保証されているわけでもなく、ここまで金を掛けてボウズ(魚が1匹も釣れないこと)なんてザラにあるわけである。

 

 

船に乗って30センチくらいのサバが1匹釣れただけの日があれば、妻から「1万円のサバだね」などと皮肉を言われる。

 

 

さらに、魚の釣れる時間が日の出くらいの時間帯になるので、深夜の3時、4時に起きて釣り場に行くことなどもよくある。

 

 

しかも自然を相手にしているので、夏は暑いし冬は寒い。

 

 

突然豪雨に打たれることもあったし、頭に雪を積もらせて釣りをしてきたこともあった。

 

 

そしてトイレはないけど虫はいる。

 

 

車を持っていない頃は終電で釣り場に行って、電車が動き出すまで歩き続け、釣り続けたこともあった。

 

 

好きでやっているので、これらのことは前向きにとりくめるのでノンストレスでここまでできるが、これを共有できる人となると、同じくこれらの過酷なことを嬉々としてできる奇特な人は、同じ釣り人くらいしかいない。

 

 

なのでどちらかと言うと日陰者のような趣味なのでこれだけ普通の人たちにありがたがられることもなかなかない。

 

 

別に見返りを求めてなんかもいないし、好んで過酷なことをしているだけなので、こういう感情が生まれるのも不思議なわけだが、なんだか報われた気がした。

 

 

こういうことを仕事にできたらな。と当時、もう10年以上前になるが、思ったことを覚えてる。

 

 

それならば釣りのインストラクターみたいなことをやることが自分の幸せなのか。

 

 

副業とかでやってみたいとは思うけどどうなんだろうか。

 

 

イマイチピンときてないけど、楽しく働くことのヒントが隠れているような気がした。